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現役最古参のサラリーマン大家の先輩コラム

「不動産経営においても、黒字倒産は起こりえる?」


2018年10月03日      

 

「財務諸表」・「財務3表」と良く言われます。
貸借対照表」(Balance Sheet:BS)、
損益計算書」(Profit & Loss Statement:PL)、
資金繰り表」(Cash Flow:CF)です。

 

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貸借対照表」(Balance Sheet:BS)は、一定時点(個人:12月末・法人:3月末等)における、財務内容を表します。

貸方(右側)は、資金調達(負債・自己資本)を表します。
借方(左側)は、運用(資産)を表します。

例えば、借入金9,000万円、自己資金1,000万円で、1億円のアパートを購入したとすると、借方(左側)は、不動産1億円、貸方(右側)は、(長期)借入金9,000万円、自己資本1,000万円となります。
因みに、負債比率90%、自己資本比率10%です。



損益計算書」(Profit & Loss Statement:PL)は、一定期間(個人:1~12月、法人:4~3月等)における会計上の損益状況を表します。

例えば、家賃(含む:礼金・更新料・短期解約違約金)が年1,000万円、経費(建物管理費・修繕積立金、賃貸管理手数料、固定資産税・都市計画税、修理費、借入金利子、減価償却費等)が年900万円とすると、売上高1,000万円、経費900万円、税引前純利益100万円となります。

 

資金繰り表」(Cash Flow:CF)は、一定期間(個人:1~12月、法人:4~3月等)における実際の現預金の出入り状況を表します。

例えば、実際に入金済みの家賃(含む:礼金・更新料・短期解約違約金)が年1,000万円、実際に出金済みのお金(建物管理費・修繕積立金、賃貸管理手数料、固定資産税・都市計画税、修理費、借入金返済額(元本・利子))が年900万円とすると、現預金入金1,000万円、現預金出金900万円、今季手残り現預金100万円となります。

ここで、「損益計算書」(Profit & Loss Statement:PL)と、「資金繰り表」(Cash Flow:CF)との違いが重要になってきます。

大きな違いとしては、「損益計算書」(Profit & Loss Statement:PL)には出ないが、「資金繰り表」(Cash Flow:CF)には出てくるものとして、借入金返済額中の元本分があります。
これは、「貸借対照表」(Balance Sheet:BS)上の「負債」の減少であって、「損益計算書」(Profit & Loss Statement:PL)上の「経費」ではないですが、実際にお金は出るので、「資金繰り表」(Cash Flow:CF)の現預金出金に出てきます。

逆に、「損益計算書」(Profit & Loss Statement:PL)には出てくるが、「資金繰り表」(Cash Flow:CF)には出てこないものとして、「減価償却費」があります。

これは、購入時に土地・建物代として、一括支払済みですが、土地と違って建物は減価するという考え方により、法定耐用年数に応じて、「損益計算書」(Profit & Loss Statement:PL)上、「減価償却費」として、経費計上し、減価させていくものです。
毎期、更に追加でお金が出るわけではありません。

逆に言えば、建物は一括費用計上するのではなく、法定耐用年数に応じて按分費用計上するわけです。

 

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ここで注意点があります。

通常、借入金返済は、元利均等払いです。
当初、借入金が大きい為、ほとんど利息部分で、元本返済分はわずかですが、徐々に返済が進み、借入金が小さくなるにつれ、利息部分は減り、元本返済分が増えていきます。

つまり、現預金出金分は同じなのに、経費計上できる利息分は減っていくということです。又、「減価償却費」についても、現在は定額法のみですが、昔は、税務署への届出により定率法も選択できました。
定率法は、早期に減価償却ができます。
その代わり、徐々に、減価償却費は減少していきます。

もっと言えば、受取家賃滞納があった場合、実際は、未入金であるにも関わらず、税務確定申告上は、原則として、発生基準であり、売上に計上しなければならないのです。
債権放棄等、確実に取れなくなれば、損金計上可能ですが。

つまり、これら、借入金返済中の支払利子分減少、減価償却費減少、及び、滞納家賃等によって、実際の現預金入金は増えない、もしくは、減少しても、税務上・確定申告上は、利益が多めになり、税金が多くなるのです。

 

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【まとめ】
不動産経営においても黒字倒産は起こりえます。
支払ローンの元本返済、減価償却費減少、家賃滞納等、キャッシュフローには注意しましょう。

 

【参考図書】

「サラリーマンだからこそ「節税大家さん」で儲けなさい!」(㈱東洋経済新報社)

 

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コラム自己紹介用 加藤隆   加藤 隆(かとう たかし)
バブル崩壊を生き抜いた現役最古参のサラリーマン大家さん。所有物件100戸、実践的・総合コンサルティング系マルチタイプ投資家。不動産経営を通じ、サラリーマンの経済的・時間的・精神的自立を提唱する。

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