マンション経営のアレコレ

~修繕義務と原状回復義務に関する責任所在の明文化~

「賃貸住宅標準契約書の改定について②」


2018年11月26日      

 

前回では民法改正において「賃貸住宅標準契約書」の中で改定された事項でも敷金について記載しましたが、その他にもアパートやマンションを経営しているオーナーにとって認識を新たにしておきたい事項についてご紹介しましょう。

 

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■原状回復
賃貸人が退去をする際に交渉を進めるにあたり、これまでは国土交通省のガイドラインに沿って賃貸主側の修繕義務なのか、賃借人の原状回復義務なのかを判断されていたと思われますが、しっかりとした法律がなかったため多くのトラブルのもとになっていたため、大まかな感じで以下のように規定されました。

◎賃貸人の修繕義務
経年劣化、通常の損耗の部分の修繕

◎賃借人の原状回復義務
・通常の使用及び収益によって生じた損耗や経年劣化を除いては、その損傷を原状に復する義務を負う。
・損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときはこの限りではなり。
・賃貸契約が終了するときは、契約時に無かったものも収去する

となっています。ここで注目すべきは「賃借人の責めに帰することができない事由」ですが、例えば、震災や借主と無関係な第三者がもたらした損傷においては賃貸人が修繕をしなければいけないということを、規律によって明記されたことになります。また、賃借人側にも原状回復義務を負うことが明記されたことにもなります。

しかしながら、あくまでもこれまでの判例をまとめたようなもので、実務を行う上で今までの賃貸契約と大きな変化ではないといえるでしょう。

 

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■契約期間中の修繕と一部滅失等による賃料の減額等
今回、新たに「契約期間中の修繕」の項目が規定されました。ここでは

賃借人が物件で修繕する箇所を見つけたときには賃貸人に知らせ、協議をする。
通知をしたうえで、修繕の必要が認められるにもかかわらず賃貸人が修繕をしないときは、賃借人が修繕をしてもよい。

と、借主の修繕をする権利が明記されました。しかし、賃貸物件が通常通り使用できない場合においての規定も明記され

賃借人の責めに帰することができない事由で、物件の一部が滅失、その他の事由により使用できない場合おいては、割合に応じて賃料は減額されるものとする。この場合、減額の程度、期間、必要な事項については協議するものとする。

物件の一部が滅失、その他の事由により使用できない場合において、残存する部分のみで賃借人が賃借した目的を達することができないときは、賃借人は解約することができる。

と、なっています。このようなことから設備として設置されているトイレが入居者の責任でなく故障し使用できなくなった場合、賃貸人は修繕をしなければ、賃料が使用できなくなった部分の割合に応じて減額しなければいけなくなってしまいます。

以前から、このような事態を想定し賃貸不動産関連の協会では、賃料減額のガイドラインを定めていました。しかしながら、賃料の減額は実務上の対応が非常に難しいので、2020年までにどのように対応するか注意をしなくてはいけません。

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■まとめ
賃貸経営において賃借人、賃貸人双方に利益が生まれるような経営が理想的です。
設備の修繕や、経年劣化などトラブルになる前に日頃からメンテナンスや細かな管理をすることが大切なのではないでしょうか。
賃貸物件の管理やお困りのことがありましたらグランシャス株式会社までご一報ください。

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