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現役最古参のサラリーマン大家の先輩コラム

「騙されないための金銭消費貸借契約書・賃貸借契約書締結」


2018年07月18日      

まずは、金銭消費貸借契約書締結です。
契約書というものは、通常は、原本を2通作成し、署名捺印者双方が保有しますが、金融業界においては、通常、何故か、金銭消費貸借契約書は、原本が1部のみで、金融機関が保有します。

金融機関は、原本一部に、後で、収入印紙を貼付し、割印しているのでしょう。
原本が1部であれば、収入印紙は1枚で済みます。
印紙税法上は、各署名捺印者連帯責任ですから、通常は折半で、もしくは、原本所有者が全額負担しますが、金融業界では、自分で原本を所有しておきながら、何故か、借主に全額負担させています。
後で、とらぶった際に、確証を残したくないのかも知れません。

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あと、日本の民法上は、使用貸借契約は、「要物契約」とされており、要物である金銭の貸与を持って、金銭消費貸借契約が成立するとされています。
悪質な金融機関は、融資承認・金銭消費貸借契約締結後でも、確証がないとか、要物契約の理論を持出し、金銭消費貸借契約は成立していないとか、屁理屈を言って、何の理由も無く、平気で、融資ドタキャンをするところもあります。
尚、収入印紙・消印のされた「金銭消費貸借契約書」は、通常、返済完了後になって、借主に返却されます。

日付には、留意しましょう。
通常、金銭消費貸借契約締結日に、融資申込書に当該日を、「金銭消費貸借契約書」は、先日付で、融資実行決済予定日を記入するように言われます。
これも、金銭消費貸借契約は成立していないとか、屁理屈を言って、何の理由も無く、平気で、融資ドタキャンをしやすいようにしているのかもしれません。

あとは、金額等、融資条件も確認しておきましょう。
融資金額、融資期間、金利、元利均等返済・元金均等返済区別、団体信用生命保険(団信)付き・無し、別件担保有無、連帯保証人・連帯債務者有無等です。
いざ、金銭消費貸借契約締結の段になると、当初の話と、融資条件が異なっている場合も散見されます。
融資金額が減額となっている、融資期間が短くなっている、金利が高くなっている、元利均等返済ではなく元金均等返済になっている、団体信用生命保険(団信)が限度額オーバー等で付けられなくなっている、別件担保を要求された、連帯保証を要求された等です。

些細な点ならいざ知らず、融資金額、融資期間、金利、元利均等返済・元金均等返済区別等は、資金繰りに影響してきますし、団体信用生命保険(団信)付き・無し、別件担保有無、連帯保証人・連帯債務者有無等は、今後のリスク対策にも影響してきます。

0718②

賃貸借契約については、賃貸管理会社によっては、所有者の代理で「賃貸借契約書」を締結し、事後になって、所有者にコピーを送付してくるところもありますが、その場合でも、重要なポイントには目を通しておきましょう。

日付については、契約締結日契約期間等です。
「賃貸借契約書」においては、通常、賃貸借期間は2~3年間。
自動更新付ですが、借主の方からは、契約期間満了前でも、退去告知を1カ月以上前にするか、その期間分の家賃を払えば、退去可となっています。
従って、通常は、入居申込、「賃貸借契約書」締結から1ケ月後くらいから賃貸借開始が多いと思われます。
あまりに、入居が早い場合には、所有者としては嬉しいものの、何か裏事情がある場合もありますので、注意が必要です。
前の住居を、家賃滞納・騒音トラブル等で追い出されたとか、他に、借りられないとかいった場合もあり得ます。

私の物件の場合にも、私に何の連絡も来ないまま、賃貸管理会社が勝手に、年末の最中に、急ぎとかの入居者を入れ、年始に、練炭ガス自殺をされた例がありました。

逆に、あまりに先日付の場合も、注意が必要です。
年始ならまだしも、10月等秋頃からの申込で、翌年4月から入居というような場合です。これでは、半年間は家賃が入りませんし、へたをこけば、ドタキャンもあり得ます。

せめて、「賃貸借契約書」をきちんと締結し、「短期解約違約金」条項を入れておくとか、敷金・礼金・前受家賃を受け取る等、しておくことです。
この時、フリーレントを付けても金銭的には一緒ですが、先日付入居の際は、内見下見をすることが可能なので、一棟物の場合には、他の部屋を見てもらう際等において便利です。

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悪質な不動産会社では、知り合い等をダミーで入居させ、広告費を3~10ケ月等取っておいて、すぐに退去させるといったことをやる輩もいるそうです。
理論上は可能なので、広告費以上に短期解約違約金を取るように設定して、防ぐしかありません。
敷金・礼金無しの「ゼロゼロ物件」が流行っていますが、敷金は、滞納家賃、修理費・原状復帰費用等を担保するものなので、できれば合った方が安心です。

但し、家賃を下げると、収益還元法での物件評価額も下がるので、別件担保融資・売却の際不利になりますので、できれば、敷金・礼金・フリーレント・更新料等で、便宜を図ってあげる方が得策でしょう。
借主過保護の日本では、退去の際、「東京ルール」とやらが流行っており、入居者の故意・過失以外については、「自然劣化」とかで、原状復帰義務を免除しているようですが、特約で、ある程度、入居者負担を認めさせることも可能です。
私的には、原状復帰させるのは当たり前だと思いますが。

 

【まとめ】
ミニミニバブル気味な不動産業界。
悪質な売主・不動産会社・金融機関も跋扈しています。
金銭消費貸借契約書・賃貸借契約書の重要なポイントは、充分にチェックしましょう。

 

【参考図書】

「サラリーマンだからこそ「節税大家さん」で儲けなさい!」(㈱東洋経済新報社)

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コラム自己紹介用 加藤隆   加藤 隆(かとう たかし)
バブル崩壊を生き抜いた現役最古参のサラリーマン大家さん。所有物件100戸、実践的・総合コンサルティング系マルチタイプ投資家。不動産経営を通じ、サラリーマンの経済的・時間的・精神的自立を提唱する。

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