お役立ちコラム

現役最古参のサラリーマン大家の先輩コラム

「「カリスマ不動産投資家養成ゲーム(カモネギ脱出ゲーム)」(後編)」


2018年02月23日      

「カリスマ不動産投資家養成ゲーム(カモネギ脱出ゲーム))(前編)」のつづき、後半のお話です。

財務諸表で特にわかりにくいのは、資金繰り損益の違いでしょう。

資金繰り上は考慮されないが、損益上考慮されるものに、「減価償却費」があります。
これは、建物代等で、購入時一括支払い済みで、その後、例年ではキャッシュアウトはしませんが、損益上は、経費に算入できるものです。

逆に、資金繰り上はキャッシュアウトするのに、損益上は経費計上できないものに、支払ローンのうちの元本返済分があります。これは、「負債」の減少になり、「経費」ではありません。

まあ考え方によっては、減価償却費は、いいことばかりではありません。
その分、建物の実質的資産価値が劣化等によって落ちているわけです。
又、譲渡益が大きくなる分、譲渡税も大きくなります。

 0223②

逆に、支払ローンのうちの元本返済分も悪いことばかりではありません。
その分、借金が減っていっていますので、担保余力が出てくると共に、売却時に売却益が出やすくなります。

この減価償却費は、取得時期が昔の物件等で定率法を選択している場合や、減価償却期間が経過した場合には、節税効果が薄くなってきます。
元利均等返済の場合、支払ローンのうちの元本返済分は徐々に増えていき、原則として経費計上できる支払金利分は減っていき、これまた、節税効果が薄れていきます。

そして、減価償却費より支払ローンのうちの元本返済分が上回った場合には、俗にいう「デッドクロス」となり、損益(税務決算)より、実態のキャッシュフローの方が悪化してきます。
最悪、「勘定合って銭足らず」・「黒字倒産母さん」になりかねません

要は、例月は、修理費、滞納、不自然死・自殺、金利上昇、空室時のリフォーム費用・空室期間の家賃無し・広告費・フリーレント・家賃下落等があり、資金繰りには余裕を持たせておき、売却しなくても、乗り切れるようにしておくことです。かといって、将来、売らざるを得なくなる場合もあり得るでしょうから、値下がり分より元本返済分が大きくなるように、実質資産価値が残債より大きくなるように、考えておくことです。

売却時には、収益還元法で言えば、家賃に比例しますので、家賃を維持することです。
私のゲームの場合、大学移転で家賃が下落しました。しかし、家具・家電付きにして家賃アップさせました。
実際にも、修理・リフォーム・リノベーション・フリーレント等を活用して、家賃維持が図れます。

ところで、ゲームもさることながら、現実もこんなものでしょう。
悪いことばかりで、いいことはほとんどないものです。
家賃・物件価格も下がる一方で、上がることはまずありません。

要は、リスクのオンパレード。

物件選定リスク対策資産価値維持向上等を如何に考慮しておくかが大切です。

0223①
資金調達では、築年数・物件構造によっては、借入期間が20年間か30年間かが選べるようになっています。
例年のキャッシュフローで見れば、30年間と長期間にしていた方が、楽です。
但し、売却時の売却益から見れば、20年間の短期間の方が、元本返済が進んでおり、売却益は出ます。
まあ、現実的には、例年のキャッシュフローが行き詰ったら、アウトですので、前者の方がいいでしょう。

私の場合は、修理費・事故がかさみ、例年のキャッシュフローがマイナスになり、給与等から補填せざるを得なくなってしまいました。
最終的には、利回りが良く、元本返済が進んでおり、売却益が出たので、かなりのプラスでは終わりました。

ただ、現実的には、例年のキャッシュフローがマイナスになり、売りたくなくても、売らざるを得ない事態になった場合、バブル崩壊時のように、その時の経済・金融情勢が悪かったら、二束三文で処分せざるを得ないかも知れません。

0223③
このゲームも今後、どんどん進化していくことでしょうが、リスクの洗い出しという意味で、色々な事象のカードを用意しておいたら面白いかなと思います。
例えば、自然災害・二次災害(地震・火災・建物倒壊・津波・原子力発電所爆発・放射能漏洩、火山爆発・台風等)、世界恐慌・金利上昇・インフレ・ハイパーインフレ・徳政令・デノミ、デフレ、大学・企業移転、エレベータ・機械式駐車場メンテナンス、修理、大規模修繕(外壁・天井塗装等)、入居者トラブル・家賃等滞納・夜逃げ、不自然死・孤独死・自殺・他殺、空室(敷金返却・リフォーム・リノベーション・家賃不発生・広告費・フリーレント・家賃下落)、税金追徴等です。

 

かたや、数少ないいいことと言えば、例えば、景気上昇・家賃・物件価格上昇、新線・新駅、土地収用、リノベーション・家具家電付きによる家賃上昇等でしょうか。
これらを、エリア・築年数・建物構造・資金調達方法等によって、適用を分けるといいですね。

リスクについては、回避移転軽減認容とあります。

回避は、万一の際、再起不能になる場合等、そもそもそのリスクを取らないことです。
例えば、5億円の一棟物SRCマンションをオーバーローンで購入し、キャッシュフローが出ない場合等です。
移転は、損害保険(火災・地震・施設賠償・事故等)、生命保険(団体信用生命保険(団信)、生命保険等)に加入すること、一括借り上げ家賃保証契約に加入する等です。
軽減とは、リフォーム等をして、空室・家賃下落リスクを低減させる等です。
認容とは、確率が低い場合・被害額が耐えられる場合、敢えて、何もせず、認める場合、ある程度の金利上昇等です。

 

【まとめ】
不動産経営においては、物件・資金調達選定に注意し、各種リスクも考慮しながら、運営をきちんとし、キャッシュフローに余裕持たせることです。そして、やむを得ず売却せざるを得ないことも想定して、残債務以上で売却できるように、しておくことが重要と思います。

 

【参考図書】

「サラリーマンだからこそ「節税大家さん」で儲けなさい!」(㈱東洋経済新報社)

51lvQq0R7WL__SX352_BO1,204,203,200_
 

過去の≪現役最古参のサラリーマン大家の先輩コラム≫はコチラ

コラム自己紹介用 加藤隆   加藤 隆(かとう たかし)
バブル崩壊を生き抜いた現役最古参のサラリーマン大家さん。所有物件100戸、実践的・総合コンサルティング系マルチタイプ投資家。不動産経営を通じ、サラリーマンの経済的・時間的・精神的自立を提唱する。

 
一覧に戻る