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現役最古参のサラリーマン大家の先輩コラム

「節税封じ?」


2017年10月06日      

 

先ごろ、タワーマンション上層階の贈与税・相続税等節税封じ対策が発表されました。

 

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日本の場合、眺望がいいということで、上層階の方が実勢価格は高額です。(海外の場合は、駅迄の移動時間が短いということで低層階の方が高額の場合もあります。)
ところが、税務上は、単純に専有面積で評価するため、上層階も低層階も同じ評価になります。従って、上層階を購入すれば、実勢価格と税務上の評価の差が大きくなるのです。

それで、贈与税・相続税を圧縮しようというスキームなのです。

又、タワーマンションは、土地の持ち分が少なく建物分が多い為、減価償却費対象が大きく、経費計上・節税しやすいという特徴もあります。
勿論、不動産経営用物件についての一般的な、貸家建付地による評価減もあります。
ひところ、「タワーマンション節税」として、流行ったものです。

 

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今回の節税封じについては、上層階は実勢価格に応じて税務上の評価も高額にしようというものです。

勿論、相続直前の駆け込み節税封じとして、不動産購入後3年以内に相続が発生した場合には、税務上も購入額で評価するというのもあります。
しかし、個人的には、貸家建付地というのは、土地に建物が建っている分、又、第三者に賃貸している分制約を受けているわけであり、評価が下がるのは理論的で、又、既得権益である以上、税務署が勝手に、ころころと税法を変えるのは、立法論的にも、政策的にも、おかしいと思います。

 

思えば、節税と節税封じはいたちごっこで、税務署は、勝手に、ころころと税法を変え節税封じをやってきたものです。

例えば、建物の減価償却費の定率法・定額法選択を定額法のみにしたこと、支払金利は土地分については不動産所得が赤字になったら経費計上できなくしたこと、不動産譲渡損益の不動産経営所得内における損益通算を不動産譲渡損益内の通算に限定したこと、駐車場・自動販売機設置後建物新築することにより建物にかかる消費税の還付を受けるスキームを消費税課税事業者を3年間以上継続させること等で封じたこと、不動産取得後3年以内に相続が開始した場合には評価額ではなく取得価格で評価すること、等です。

 

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これらは、主に個人を想定したものですが、まさに、取り易い所から取るといった発想です。

個人は増税・法人は減税の動きです。
法人だと、建物での減価償却で定率法も選択できること、支払金利は赤字でも土地分も経費計上できること、不動産譲渡損を損益通算できること、相続という発想がないこと等です。
我々個人ができることと言えば、減価償却期間の短い物件(築古・木造等)を購入すること、建物の比率が高い物件(郊外・地方・鉄骨鉄筋コンクリート等)を購入すること、建物の比率を高くすること、減価償却期間が短く定率法も選択できる構築物・器具備品等細かく分けること、不動産譲渡益・譲渡損を組み合わせること、相続開始前に余裕を持って不動産を取得しておくこと、場合によっては、法人化も検討すること等でしょうか。

 

以上、節税の観点から見てきましたが、タワーマンションについては、
埋立地・海岸傍等立地環境が今一な場合が多いこと、希少価値のある土地の持ち分が少ないこと、上層階だと駅から遠くなること、地震時上層階は揺れが激しいこと、停電時にはエレベータが使用不能となり歩いて上り下りせざるを得なくなること、上層階・下層階での貧富の差が露呈し易いこと、中国等の外資が入ってきていましたが中国バブル崩壊により引き上げがあり得ること等の問題もあり、あまり御勧めしません。

私だったら、立地環境のいい場所での戸建で、地に足のついた生活がいいですね。

【まとめ】
節税と節税封じはいたちごっこ。税務署は、勝手に、ころころと税法を変えてきます。常にアンテナを張り巡らして、負けないようにしましょう。

 

 

【参考図書】

「サラリーマンだからこそ「節税大家さん」で儲けなさい!」(㈱東洋経済新報社)

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コラム自己紹介用 加藤隆   加藤 隆(かとう たかし)
バブル崩壊を生き抜いた現役最古参のサラリーマン大家さん。所有物件100戸、実践的・総合コンサルティング系マルチタイプ投資家。不動産経営を通じ、サラリーマンの経済的・時間的・精神的自立を提唱する。

 
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