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田嶋智太郎の経済トレンド・ウォッチング

「『秋以降は株高再現』への期待高まる!」


2017年08月31日      

8月最終日(31日)の日経平均株価の終値は1万9646円と、月初め(1日)の1万9907円に比してマイナスとなった。
株価チャートの月足ロウソクで言えば、2017年8月は「陰線」ということになる。

 

既知のとおり、日経平均株価にとって8月というのは比較的分が悪い。
2010年以降で言うと8月は2勝6敗であり、実のところ、すべての8月において外国人投資家は日本株を売り越している。
外国人投資家の日本株売買シェアはなおも7割近くに上っているわけであるから、彼らの売り越しが結果に響かないわけがない。

 8.31②

 

一方で、8月は米国株のパフォーマンスも決してよろしくはない。
過去のデータを紐解くと米国株は9月が最悪で、結果的に8月の売買も手控えられやすい。
もちろん、欧米の投資家の多くが長期の夏季休暇をとることも一因だが、何より海外ファンド勢が毎年秋に決算を迎えることから、事前にそのための換金売りが出やすいという事情が大きい。
 
 つまり、8月の日経平均株価のパフォーマンスが様々な要因によってあまり思わしくなかったとしても、それは季節的な値動きの特性でもあり、さして気にするほどのことではないということである。

むしろ、秋以降は株高再現への期待が今後は高まるものと思われる。

 

 

8.31①
 

周知のとおり、国内外の市場関係者は2018年3月期の日本の上場企業業績について過去最高の純利益を見込んでいる。
おわかりのとおり、第1四半期(4-6月期)の決算発表時に各社が示した通期予想は保守的に見積もったものが多いと考えられ、遅かれ早かれその予想を上方修正してくるケースも増えることとなろう。
 

  ことに、この9月が終わった時点における4-9月期の実績発表時に(9月下旬から10月上旬にかけて)、通期業績予想の上方修正を行う企業は相次ぐこととなるだろうし、当然、結果的に株価もあらためて動意付くこととなろう。

 

一つには、国内で稼ぐ内需系企業の業績が底堅い。

都市部の旺盛な再開発需要を背景としたゼネコンの活躍は想像に難くないだろうし、オフィスビルが好調な不動産大手の業績も好調である。
なにしろ、日本の4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率+4.0%もの大幅な伸びを示しているのである。

「その割に物価上昇率やインフレ率が盛り上がって来ない」

などとする声も聞かれるが、個々人の皮膚感覚では果たしてどうか。
このところ、食品の価格や外食代、宅配の送料などが確実に上昇していると感じている向きも決して少なくはないはずである。もちろん、値上げなどで対応する内需系企業の採算は改善している。

 

外需系企業については、世界的な景気回復の流れにあって順調に海外での収益を伸ばしている企業が非常に多い。当然、今後の外国為替相場の行方も大いに気になるところだが、少なくとも極端な円高方向に振れる可能性は基本的に低いと考えていいだろう。
 

8.31③

 

  9月は、米国における新会計年度の予算措置や連邦債務上限引き上げ問題などが大いに気にかかるところではあるが、いずれもタイムリミットが定まっているものであるが故、どのような顛末を迎えようと影響が極端に長引くようなことはないはずである。
 

  また、政府的な問題を抜きにすれば、米国経済のファンダメンタルズは極めて良好な状態が続いており、たとえ経済対策の後押しがなくとも一定の成長は続くものと見られる

8月下旬に発表された米4-6月期のGDP・改定値は前期比年率+3.0%と前回発表分の速報値や事前予想を大きく上回った。

年内もう一度の米利上げへの期待もあらためて高まってきており、秋口以降はドルが強含みで推移するものと見込まれる

 

 

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t_tashima  田嶋 智太郎(たじま ともたろう)

1964年東京都生まれ。慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券勤務を経て転身。転身後は数年間、名古屋文化短期大学にて「経営学概論」、「生活情報論」の講座を受け持つ。過去20年余、主に金融・経済全般から戦略的な企業経営、引いては個人の資産形成、資金運用まで幅広い範囲を分析・研究。民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催する講演会、セミナー、研修等の講師を務め、年間の講演回数はおよそ100回前後、これまでの累計講演回数は3000回近くに上る。

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