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「田中研之輔氏のコラムを更新しました。」


2018年01月15日    コラム  

<変化>で読み解く東京の魅力コラム

「「変化」で読み解く東京の魅力 (3)」


2018年01月15日      

 

 さて、47都道府県別で、東京がダントツの最下位であるランキング項目をご存知でしょうか?

 ちなみに、そのランキング項目の第一位は群馬県です。群馬県の方は、人口100人あたり、69.58台自動車を保有しています。
 
 そうです。

 人口100人あたりの自動車保有率が東京は日本で最下位なのです。
東京は人口100人あたり23.19台しか保有していないのです。あえてここまで最下位という言葉を用いてきましたが、読者の方もすでにお気づきのように、車の保有率を高い順位並べたときのランキングにすぎず、この順位が東京の良し悪し決定づけるものではありません。

 ただ、特徴はみえてきます。

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出典: http://todo-ran.com/t/kiji/10786

 まずわれわれが東京という都市空間を理解するときに、車が必需品ではない生活が確立された社会であるということなのです。

 とするならば、われわれは東京の「変化」を把握するのに、車ではない他の移動に注目する必要があります。人が生活する上での移動手段は、徒歩や自転車でのパーソナルな移動もありますし、バスやタクシーといった公共や民間のサービスを使ったパブリックな移動もあります。

 ここで焦点をあててみたいのは、電車です。先程、自動車の保有率は国内最下位だと述べましたが、それを支えているのが世界トップレベルの運行実績を誇る鉄道ですね。

 世界一、乗降客数が多い駅はどこだかご存知ですか?

 世界一位に君臨し続けるのが、新宿駅です。新宿駅は世界一の駅なのです。
その新宿駅を筆頭に、池袋駅東京駅横浜駅品川駅と続きます。下記の表は、JR東日本が2016年に公開しているデータですが、新宿は前年の2015年と比較しても、1.2%増加しています。

 最も乗降客数の多い世界一の新宿駅は、未だに、利用者数を伸ばし続けているのです。

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  http://www.jreast.co.jp/passenger/index.html

  人びとの生活行動のパターンの変化は、この乗降客数の前年比比較や、過去10年間との比較から推察していくことが可能です。東京の中で目立つ人の流れを捉まえることができます。
 JR東日本のHP( http://www.jreast.co.jp/passenger/ )では、年間の乗降客数をそれぞれに詳細にみていくことができるので、興味がある人は、チェックしてみてください。

 試みに、乗降客数ランキング上位20駅をみてみましょう。その20駅のなかで、前年と比べて、乗降客数を飛躍的に伸ばしているのが、大崎駅(4.1)、品川駅(2.9)、田町駅(2.5)の3駅です。

 この大崎駅、品川駅周辺をみていくと実は、市街地再開発事業が着工され、この10年の間に、年々、事業が完了しているのです。都市空間がつくりかえられてきたということなのです。

 東京都都市整備局 市街地開発事業一覧より部分抜粋
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出典: http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/sai-kai.htm

 この市街地再開発事業は、「不足している道路・公園などの公共施設を計画的に整備するとともに、良好な生活環境を備えた都市型住宅の供給や、業務施設の近代化を図るなど、安全かつ快適な生活空間を創出する総合的なまちづくりを行う」(上記HP掲載)ことを狙いとしたものです。

 市街地再開発事業により、オフィスが誘致されたり、賃貸や新築のタワーマンションなども増えていきます。空間がかわれば、人の生活行動パターンはかわります。生活行動のパターンの変化は、駅の乗降客数や居住人口、通勤人口などの数の変化に反映されます。
 こうした数の変化は、人びとの生活行動パターンの集積でもあるからです。
 
 では、せっかくの機会なので、これから生活行動のパターンに大きな変化が出てきそうなエリアについてもみておくことにしましょう。
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出典: http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/sai-kai.htm

 現在、市街地再開発事業が集中的に着工され、事業中でこれから段階的に完成していくのが、日本橋、八重州あたりの東京駅周辺地区になります。

東京駅の乗降客数は池袋につぐ現在第三位ですが、前年と比べての伸び率は、池袋駅が0.6%であるのに対して、東京駅は、1.1%です。
さらに、この市街地再開発事業の段階的な事業完成による生活行動パターンの変化により、近い将来、池袋をこえる第二の駅へと成長していくのではないでしょうか。

 日本のナショナルスケールでみると、人口減少や少子高齢化といった縮小が社会を語るキーフレーズになっていますが、都市の空間スケールで捉えていくと、東京はまだまだ、爆発的なポテンシャルを兼ね備えているようです。

 それが地方の搾取ではなく、国の経済的なポテンシャルを牽引していく成長エンジンとなることが、いま、あらためて東京に期待されている社会的役割なのかもしれません。

 それでは、また、次回のコラムでお会いしましょう。

田中 研之輔(たなか けんのすけ

1976年生まれ。法政大学准教授 博士(社会学)。一橋大学大学院修了。日本学術振興会特別研究員(DC/PD:一橋大学 SPD:東京大学)。メルボルン大学、カリフォルニア大学バークレー校で客員研究員を歴任。
<変化>に着目した「空間-行動」分析を得意として、<東京>の魅力分析を続けている。著作には、『都市のリアル』『丼家の経営』『都市に刻む軌跡』『走らないトヨタ』『先生は教えてくれない大学のトリセツ』『覚醒せよ、わが身体』他。セミナーや講演会数も多数。個人でも投資を行い、企業顧問もつとめる。株式会社ゲイト社外顧問。

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